AI-SQ Engineering

音質評価を、製品開発のためのエンジニアリングへ

AI-SQ Engineeringは、心理音響、音響解析、聴感評価、AI技術を組み合わせ、製品音の評価・改善・設計を支援するエンジニアリングサービスです。従来の製品音評価では、騒音レベルや周波数分析などの物理的な測定値が中心に用いられてきました。

しかし、同じ音圧レベルの音であっても、人が受ける印象は大きく異なります。

また、既存の心理音響指標だけでは、製品固有の音の特徴や、時間的に変化する音の印象を十分に表現できない場合があります。AI-SQ Engineeringでは、音響データと人の評価を結びつけ、製品ごとに重要となる音の特徴を明らかにします。

AI-SQとは

AI-SQの「SQ」は、Sound Qualityを意味します。

AI-SQ Engineeringは、音質評価を自動化するだけのシステムではありません。

音の分析、人の感覚との関係の把握、評価モデルの構築、改善方向の検討、サウンドデザインまでを、一つの流れとして扱うための考え方です。

Sound Analysis

製品音を解析し、その音を特徴づけている周波数成分、時間変化、変動、衝撃性、周期性などを抽出します。

Sound Quality Evaluation

ラウドネス、シャープネス、ラフネス、変動強度、トナリティなどの心理音響指標や弊社独自の指標や分類方法で、製品ごとの独自評価項目を組み合わせます。

AI Modeling

解析結果と聴感評価結果をAIに学習させ、音の分類、印象の予測、重要特徴量の抽出を行います。

Sound Design

評価結果を基に、どの音を抑え、どの音を残し、どのような時間変化や音色を付加するべきかを検討します。

AI-SQ Engineeringの特徴

1.製品ごとに評価方法を構築します

すべての製品音を、一つの共通指標だけで評価することは困難です。

自動車の加速音、モーター音、空調音、掃除機音、衝撃音では、人が注目する音響特徴が異なります。AI-SQ Engineeringでは、対象製品、使用状況、評価目的に応じて、必要な解析方法と評価項目を選定します。

2.周波数と時間構造の両方を評価します

音の印象は、周波数スペクトルだけでは決まりません。例えば衝撃音では、音の立ち上がり、最大値に達するまでの時間、減衰の速さ、余韻の残り方が、硬さ、力強さ、上質感などの印象に影響します。加速音や回転機械音では、回転数の変化に伴う次数成分の動きや、音色の時間的な展開も重要です。AI-SQ Engineeringでは、時間波形、スペクトル、時間周波数特性を統合して評価します。

3.人の評価と解析結果を結びつけます

解析指標の値が変化しただけでは、製品価値が向上したとは判断できません。重要なのは、その変化が人の印象や選好とどのように関係しているかです。聴感評価や官能評価の結果と音響特徴量を対応づけ、製品音の印象を支配している要因を明らかにします。

4AIを判断の代替ではなく、設計支援に活用します

AIは、多数の音響特徴量や評価データから、人が見つけにくい関係を抽出することに適しています。

一方、最終的な音の良し悪しや、ブランドに適した音であるかどうかは、人が判断する必要があります。AI-SQ Engineeringでは、AIを人の判断に代わるものではなく、分析、比較、予測、設計を支援する道具として活用します。

AI-SQ Engineeringの基本プロセス

STEP 1 目的の整理

対象製品、使用場面、現在の課題、目標とする音の印象を整理します。「音を小さくしたい」という要求だけでなく、「上質にしたい」「力強くしたい」「不快感を減らしたい」など、感覚的な要求も明確にします。

STEP 2 音響測定・データ確認

録音データ、音響測定データ、運転条件、製品仕様などを確認します。既存の測定データを使用することも、新たな録音・評価条件を設計することも可能です。

STEP 3 音響・心理音響解析

物理音響量、時間波形、周波数特性、時間周波数特性、心理音響指標などを算出します。対象音に応じて、衝撃性、変動性、周期性、次数構造なども分析します。

STEP 4 聴感評価

必要に応じて、一対比較、ME法、SD法などによる聴感評価を実施します。製品音に適した評価語を設定し、音響特徴と人の印象との関係を調べます。

STEP 5 AI・統計モデルの構築

解析結果と聴感評価結果を用いて、音の分類、評価予測、重要特徴量の抽出を行います。複雑なモデルを使用すること自体を目的とせず、結果を設計へ反映できることを重視します。

STEP 6 改善方向の提案

評価結果を基に、低減すべき成分、強調すべき成分、時間変化の調整方向などを整理します。

必要に応じて、音源加工やサウンドデザインによる比較音を作成します。

STEP 7 検証

改善音や試作品について再評価を行い、目標とした音質が実現されているかを確認します。

対応する音の例

AI-SQ Engineeringでは、特定の製品分野に限定せず、人が音から製品の状態や品質、機能、印象を感じ取る、さまざまな製品音を対象としています。

  • 自動車の車内音・車外音
  • エンジン、モーター、ファンなどの機械動作音
  • 家電製品・住宅設備の動作音
  • 食品・飲料に関係する音
  • 健康機器・医療関連機器などの報知音
  • スイッチや機構部品などの操作音
  • 警告音・通知音・インターフェースサウンド
  • 時間的に変化する音や複数の音が組み合わされた製品音

同じ種類の音であっても、製品の目的、使用環境、利用者、ブランドによって、求められる音質は異なります。AI-SQ Engineeringでは、あらかじめ決められた一つの評価方法を適用するのではなく、対象製品に応じて、評価指標、聴感評価方法、解析条件を構成します。

AI-SQ Engineeringが目指すもの

AI-SQ Engineeringは、音を測定し、評価結果を報告するだけのサービスではありません。

音響解析から得られた知見を、製品設計者、CAE担当者、デザイナー、開発責任者が活用できる形へ変換することを目指しています。

将来的には、以下の機能を段階的に統合します。

  • WAVデータからの音響特徴量の自動抽出
  • 心理音響指標による音質評価
  • AIによる音の分類・評価予測
  • 製品音の可視化改善条件の提案
  • 生成AIによる製品音の生成
  • 生成音の自動評価と比較
  • 人による最終的な音質判断の支援

分析、評価、設計、生成を一つの循環として構築し、製品音開発の新しいプロセスを提案します。

ご相談について

製品音の課題は、開発段階や対象製品によって異なります。

解析のみ、聴感評価のみ、既存データの再評価、評価指標の構築、AIモデルの検討、サウンドデザインなど、目的に応じて対応内容を構成します。

守秘義務を遵守し、公開できない製品開発案件についても個別に対応します。